ブッ壊れたシャワーヘッド

好きなものを、不規則に撒き散らすだけ

18/02/24 TEAM NACS 第16回本公演「PARAMUSHIR」 マチネ@ニトリ文化ホール

実はなにげに初めて見に行くナックスの本公演。メンバーそれぞれの舞台はそれこそ結構何回も見に行ったんだけど、流石は一番チケットが取れない演劇ユニットだよね、東京いた頃は本当に東京公演秒で売り切れてたもんだから、今回ようやく縁あって札幌の公演を見に行けました。

公演内容全然関係ないけど、2月のニトリホール周辺って日が当たらないのもあってかマジ雪と氷でツッルツルのピッカピカだから気をつけて!冬靴(所謂雪国向けの靴底がしっかり防滑加工してあるブーツ)でも際どかったから遠征できてる人とか大変だったんだろうなぁ。

というかあれだね!もう6月なのにまだ2月のことも全然書いてないね!やばいね!元気です!概ね!V狼見てるくらいには元気だYO!

 

 

 

 

 

 

 

 

雑なあらすじ:第二次世界大戦直後。北の戦場で国土を守っていた戦士たちは日本の敗戦を聞いて意気消沈するも、戦争がようやく終わったという事実にどこか安堵を感じ、それぞれがこれからの人生に思いを寄せていた。ところがそれも束の間、終戦をアナウンスされていたはずの北海道をソ連軍が条約を破り攻め入ろうとしていた。国土を守るため、そして北の辺境で身を徹し国のため戦士のために働いていた工場の女性や子供たちの身の安全を確保するため、とある理由で自分たちの師団から離散してしまった5人の軍人はひょんなことから同じ戦車で出会い、同じ目的のためにソ連軍へと立ち向かうのであった。あれから70年以上経ち、国民にすらこの歴史について忘れられていく中、戦士たちの子孫は改めてこの島の土地を踏みしめるのだった。

 

 

 

日本史激弱マンなので背景開設とかは他力本願といたしますゆえ、興味ある方は是非以下のリンクを参照して欲しいです。

占守島の戦い - Wikipedia

ironna.jp

樺太1945年夏 氷雪の門 - Wikipedia

 

ウィキ先生様々である。

直近だと吉永お姉様主演の「北の桜守」とかもここらへんの話が背景となってますね。せっかくと言ってはなんですが、今年はでっかいどう命名150年って節目でもあるし、普通に「ベンキョウニナッタナァ」という感じです(とても頭の悪そうな文章)。

 

今回5人が演じるのは、そういう戦争の渦中でたまたま出会った軍人たち。

森崎さんは一番偉い小宮少尉。5人の中では一番最初に軍人のお偉いさんからソ連に攻め込まれている事実を告げられます。少尉と言いつつも5人の中では一番のいじられ役というか、指揮官という立場上実は現場経験が少なく、なおかつ偉大な父や兄弟の栄光の影にいつも劣等感を感じていることから、多くの場合はおどおどしていますが、肝心の決断を強いられたときはやはり少尉らしくビシッと決める、そんな役です。

ヤスケンが演じるのはとても気難しいけどじつは内に熱い思いを秘める男、桜庭上等兵。彼は足を怪我したふりしてずっと軍病院に収容されていましたが、その病院で自分によくしてくれた近くの工場の娘たちをソ連軍という脅威から守るため、急遽現場に復帰します。彼が気難しい人間になったのは、生まれつきの性格ではなく、ガダルカナルという過酷な戦場での生存経験や、戦争により愛する妻子との生き別れによるものだったのです。

シゲ演じる田中二等兵ソ連侵攻にいち早く気づいた隊に所属しており、一番最初にソ連軍を迎え撃ちましたが、そこで仲間を失い、唯一の生き残りとして走って他の隊にその事実を伝え奔走します。妻が妊娠中に軍人となった田中は生まれた息子の顔をまだ見ておらず、その息子に会うために、早く名前をつけてあげるために「死にたくない、生きて帰りたい!」と悲痛の叫びを漏らします。

洋ちゃんの水島軍曹は、とても人情厚い上司。終戦の知らせを聞いたとき、率先してまずは部下たちを北海道本島行きの船に乗せます。そして、ソ連軍への迎え撃ち指令を受けたときも、部下たちにはついてこないよう叱りつけ、自分だけで現場に赴きます。空襲以降妻や娘と連絡を取れていない水島は、せめて部下たちだけでも家族とちゃんと再会して次の人生を歩んで欲しいと強く願っていたのです。

そして音尾ちゃんが演じるのは矢野整備兵。主に戦車や銃器の整備をしていたことからいつか自分も一兵士として戦場で戦うことを強く思っていた。他の生きて帰りたがっている仲間たちと違い、彼は戦場で死ぬことを本望とし、理念は違えど同じ国土を守るという目的のため、率先して他の4人と戦うのだった。

 

相変わらず、5人ともそれぞれ違う個性的な役柄で、でも一緒になったときはなんの違和感なく一つのチーム一つの仲間となるのが、nacsならではだなぁと思いました。今回のみんなのセリフはじつはちょっとだけ説明チックでちょっとだけ青臭かったりするんだけど、それも今回みたいに歴史背景が大事なストーリーではうまくいかせてた様な気がします。

舞台セットはいたってシンプルで、軍営キャンプの質素な佇まいと、あとはドーンと中央に戦車が出てくるくらい。それでもライトや、なによりNAOTOさんの音楽のおかげで、戦場の緊迫した様子が伝わってきました。というか今回のメインテーマ、ケルト音楽っぽいやつ、すんごく私の好み。しょっぱな流れた時から鳥肌が止まらなかったなぁ。

私はnacsで言えば国民なので、どうしてもヤスケン贔屓になってしまいますが、それでもやっぱりヤスケンの表現が一番好きだったなぁ。多分5人の中でも一番複雑な役で、凄まじい孤独感を最初から放っているんだけど、それは決してかれの性格ではなく、今までのあまりにも過酷な経験によるものだっていう説明があとから入って、それが全然違和感なく感じられるという。というかヤスケン『野火』に出てそう*1

 

強いて言うなら私はあまりあのエンディングが好きではなくて、ラストは誰が死んで誰が生き残り、そしてなんでこの歴史について今語っているかというのを残り残さず全部説明してくれるんだけど、私はそこらへんはもっと余白を残しても全然いいなぁと思ってて、ちょっと観客に丁寧すぎたかなぁと。今回森崎が「もっとこの歴史について北海道内外の人に知って欲しい」と語ってたから、そういう明確な意図をもってあのエンディングにしたんだと思うんだけど、それだとちょっと説教じみてくるかなぁと。

テーマは重いけど、出てくる人物は至って普通というか、現代の私たちと比べてもとても身近で親近感が沸ける。そんな人だって、戦争っていう背景では仕方なくあのような決断を強いられるのだなぁと共感できるからこそ、今平和に生きられるこの生活に改めて感謝したいと思いました。

 

カテコトークは札幌での若き思い出について。

音尾:初めてのひとり暮らしが札幌。7,8回引っ越したけどどこもちょっと問題あったのでいい部屋探しのコツを教えて欲しい。(多分)

大泉:自分は大学生でも車を持ってる方の大学生だったので、よく音尾を家まで送ってあげていたが、自分が話したいエピソードトークがオチまでたどり着かなかったら音尾を下ろさず、音尾の家の前を何周もぐるぐる回った。

戸次:自分も車を持ってる方の大学生だったが、ガソリン代をケチるためにガソリンスタンドに行っては「100円分だけいれてください」とお願いしてた。たまに走ってる途中でガソリンがやばいときがあった。(多分)

安田:大学時代はよく劇団仲間を家に呼び込んで飲み明かした。飲み過ぎると「安田スペシャル」というただのインスタントラーメンを作ってあげるのだが(激ウマらしい)、それを裸にエプロン姿で作ってた。

森崎:大学時代安田と徹夜で飲んだ日は、二人で豊平川に行ってシートを敷いて昼寝したが、太陽光に当たってる部分だけめちゃくちゃ日焼けして半分黒半分白になった。

 

夜公演もあるとのことであっさり終わっていきました(笑)

 

ちょっとだけ気になったのは観劇マナー。アイドル的人気があるとはいえ、演劇集団のファンだから大丈夫かなと思ったけど、劇中それでもプラスチック袋をガサゴソしたり、近くにLINEの着信音がピコピコなったり、あきらかに多ステしてる人が変なタイミング(多分アドリブか間違いだろうね)で爆笑してたりと、気になるところが多々あったのは残念でした。*2 開始前アナウンスで電源オフの話が出なかったの、私の観劇経験では初めてだったので、そこは馴れ合いじゃなくてちゃんと初心者の方とかのためにもアナウンスしたほうが良かったんじゃと思いました。札幌以降の公演ではやってくれたのかなぁ。

 

以上、だいぶ時間が経ってるのでとてもうろ覚えなのですがメモ用に書き残しました。今や「大泉と愉快な仲間たち」じゃなくて、5人それぞれちゃんと個々の役者さんとして認識されててとっても嬉しいからこそ、もっと敷居低くいろんな人に見てもらいたいなぁと、一応水どうからずっとnacs好きを公言しているものとしては思いました。しっかし、水どうからのお花、絶妙にほかからのお花の裏に隠れてて笑ったなぁ。

 

 

 

 

 

 

*1:出てません

*2:アンケートにちゃんと書かせてもらいました