14/11/26 皆既食~total eclipse~ ソワレ@シアターコクーン レポ
OTT以来の舞台で、現場としてはこの間にスタレビの中野サンプラザ行ってるんですけど、SHOUTツアーまだ真っ只中だからネタバレ書けないという。ツアー期間長いよ(笑)
良い息抜きになったよ!!!
うちらの代からすーかつのスケジュールが色々変わって、たしかに解禁日は遅くなったけど結局早くやってるとこは例年通りの解禁だから、むしろだらだら長引いてしまったという印象。だからもう夏からごたごた忙しくしてて、この時期にもなるとそろそろストレスとか溜まり始めてきてたんだけど、無事インタンも幾つかこなして、仕事明けの良いお休みになったという印象。
ニーナの舞台を生で見るのは海辺のカフカぶり二回目。正直現代的大衆演劇や人気劇団の演出に慣れちゃってるからニーナのクラシックでちょっと堅苦しさもある演出はあまり得意ではないんだけど、デカプリオ様の映画の舞台版じゃん?岡田将生いるじゃん?生瀬さんと禁断のラブしちゃうじゃん?
今でしょ(死)
んなわけでよりにも大野智の誕生日でございますがバイト終わりにその足でシアターコクーン行ってまいりました。
席は3階コクーンシート。はっきり言って見づらいし途中からかなり首痛くなるのコクーンでちゃんと舞台見たい人には全然お薦めしないんですけど、貧乏学生はいかんせん行きたい舞台数に見合うお金を持ってないので、年末までの出費を考えて我慢。ただ二回のコクーンシートと違って三階までも来ると後ろに立ち見がつかないので常識範囲内で乗り出し観覧OKなので、多少は楽かと。
しっかしまぁ...
豪華なメンツやな!
話の筋として三角関係がテーマなので、主な会話ってもうほぼ主演の二人+中越ちゃんで終わりなんですけど、こんな豪華な面々が実は後ろで地味に演技をしてますよということで。最後のカフェでのシーンにおける野口さんの演技は本当に惹かれるものがあって、メインはヴェルレーヌの独白なはずなのにタロットやってる側ばっか見ちゃった(※ダメです)
あらすじは簡単。生瀬さん演じる詩人ヴェルレーヌはいい年したおっさんだけどなぜかお若い金持ちの娘マチルド(中越典子)に好かれ(大半はあれ、世間知らずのお嬢さんがちょっと変わってる人見たら「なんかおかしいけどそれが素敵!」的なノリで恋しちゃった、みたいな)、ヒモとなってマチルド家の豪邸に寄生。そこで一通の手紙に書かれた詩に感動してその詩人を呼び寄せて育てようと思ったら来ちゃったのが想定より若くてしかもかなーり美青年なランボーさん(岡田将生)だったと。
あ、以下ガッツリネタバレしますね。
ランボーは諸事情で以前からそっちのけがあるのでその美貌と才能を使ってヴェルレーヌを翻弄し、ヴェルレーヌもその気になってランボーと駆け落ちとかも試みたりするんだけど、なんだかんだ肝っ玉弱いただのクソ野郎だからマチルドの若い美ボディも捨てられないしマチルド金持ってるしどっちも選べないよー(つд⊂)ってなって、愛想を尽かしたランボーが「俺は出てく!!」と怒ったのに逆ギレしたヴェルレーヌがなぜか(まぁ理由はあるんだけど*1 )持ってた拳銃でランボーに怪我を負わせ、決裂確定。ムショ入りは避けられたけど二人は一緒になることはなかったそうな。めでたしめでたし。
というクソ野郎×2と世間知らずのお嬢様によるドロドロで割と不毛な三角関係の話を「ランボーの妹がランボーの死後ヴェルレーヌのとこに訪れて兄が書いてた詩の原稿をもらいにきた時、おじいちゃんが昔話を滔々と聞かれてもないのにはじめる」という体で勧められます。
ちなみに映画版はこちら。邦題は『太陽と月に背いて』。うーんこの訳題。
Amazon.co.jp: 太陽と月に背いて [DVD]: レオナルド・ディカプリオ, デビッド・シューリス, ロマーヌ・ボーランジェ, アニエスカ・ホランド: DVD
話のあらすじもだいたい一緒だし、結構舞台で描ききれなかったこととかも描写されてるので映画見て雰囲気味わうのもオススメです。というかディカプリオが本当にため息出るほど美しいからそれだけのためにも見て!ちなみにヴェルレーヌを演じてるのはハリポタシリーズでルーピン先生役やってる人だよ!
大まかな印象としてはやっぱりニーナの演出はクドいかなぁと。あと少々古臭いの。型がかっちり決まってるというか。
野島伸司じゃないけどやたら主人公にながーいモノローグ喋らせたがる印象があるけど、今回もやっぱりそうだった。ヴェルレーヌが各幕の冒頭で長い独白を言うんだけどまだ観客的にも感情移入しきれてない状態であの詩的セリフを言われてもイマイチぴんとこないとこが多いのかなぁというイメージ。
なにより「詩的」という部分を強調しすぎたのかなぁという感じもあって、ヴェルレーヌとランボーがどうお互いに惹かれたのか、どういう関係性を築いたのかというのが見えにくかったのかなぁという印象もありました。それについては役者のなるしこと池田成志さん*2が書いた感想があるので貼ります。
①「皆既食」拝見。まるで傷つけ合うために出会ったかの様な二人だった。きっと太陽を求めて生きてるのに、同じ太陽を求めてなかったのか?あるいはまぶしすぎたのか?背を向けて、二人はそれぞれに向き合ったのだろうか?→
— イケダナルし (@narupinsky48) 2014, 11月 27
②時系列通り進むがゆえか?フィジカルな所が少ないゆえか?やや同じ応酬にも見えたのが惜しい。二人の太陽が溶け合う所が、もっとみたかったな。明るければ影も濃くなるだろう。しかし生瀬先輩が弾ければ、際限なくなるだろうし、塩梅の難しいところだろーなぁ。→
— イケダナルし (@narupinsky48) 2014, 11月 27
③しかし殆ど二人の芝居で、素晴らしく、息苦しく、悲しく、濃い、数年間を描く。他の役者さんも集中するの大変だろうなぁ。 二人の詩人が、経済的にも社会的にも恵まれていたら、あの詩たちが生まれていたか?んな事も考えた芝居でした。
— イケダナルし (@narupinsky48) 2014, 11月 27
時系列でしかも結構な時間の中進んでいくお話なので、舞台転換の時は両サイドのモニターに年月・地名が逐一表示されてたんだけど、親切である一方でモニター見るたび「あぁこれは芝居なんだ」と結構現実に引き戻された感もあったかしら。
でも三者三様の「どーしよーもない」感が妙に癖になって、そんな愚かな人たちを鼻で笑う一方で人生の諸行無常を虚しく感じる、すごくいい舞台でした。
今回岡田くんは初舞台だったらしいのですが、全然見劣ることなく、とてもハツラツで幼くて、でもどこか毒を持ってそうなそんな危うさを醸し出すランボーがそこにいました。
とにかく白い!!!なにあれ!!!
金髪にしたこともあってか一層白さが目立ってもはや外国のお兄ちゃん。唇ぽってりしてて、白シャツ一着から垣間見れる素晴らしいデコルテ。めさんこ美人さんだった。デカプリオのランボーは若者故の衝動とか、天才詩人が故の気難しさとか、正に「魔性の男」って感じだったんだけど*3、岡田くんのランボーは純粋。天才詩人だからもちろん博識なんだけど、森羅万象への解釈がやっぱりどこか未熟で、若いから好奇心と冒険心も強い。だからヴェルレーヌは「惑わされた」っていうより「愛おしく思えた」んじゃないかなと、そう思わせるランボー像。
あとあれだ、岡田くん自体がすんごい大型犬っぽいからレトリバー的な。だからヴェルレーヌに甘えるシーンも淫靡というより「わーいかまってーかまってー甘えるううう」という雰囲気だったんだと思う。
それっぽいシーンはあるけど(同じベッドで就寝とか)、映画ほどの絡みもなく、岡田くんはキスシーンすらありませんでしたよ。(・д・)チッ←
一方の生瀬さんは映画版よろしく、ハゲ姿で登場。とにかくヴェルレーヌはだらしなくてどうしようもないクソ野郎だったわけですよ!はっきり言っちゃえば「ランボーの肉体もマチルドの肉体もどっちも好き!」ととにかく若い体が好みということで。一体お前はいつ詩を書いてるんだというくらいにはただのプータローだったんですけど。
優柔不断で、でも頑固で、キレやすくて、奥さんにもDV振るうしランボーも傷つけるし。ほんとどうしよーもないんだけど。
でも、やっぱり究極は寂しがり屋で、一人じゃいられないから傷つけながらも誰かと一緒にいたいという気持ちが強いんじゃないかと、老いて連れ添いの女(多分どっかから買ってきた女?)とカフェに佇む姿を見て思ったり。
ランボーに「奥さんと僕どっちがいいの!!」的な選択肢を迫られた時のヴェルレーヌの言い訳の繕い方が三歳児レベルでわろた。
あれも欲しいこれも欲しいって言ってるとどっちも得られないんだよ(・∀・)
生瀬さんめっちゃ声張らなきゃいけない場面が多かったからちょっと喉の心配をしてみたり。
でもこれだけは言わせてもらおう。
典子ちゃんとキスだー?羨ましいぞ!!!!
ステテコ姿(※中世のあの白い下着あるじゃないですか、あれあれ)で今舞台唯一の濡れ場とカウントしてもいいキスシーン演じるとかマジ裏山。なんなら岡田将生にあんなに愛されるのも裏山。でも生瀬さんにベタベタできる岡田くんも裏山。要するに裏山。
なお、別番組で番宣出てた生瀬さんによると、舞台見たお客さんから「なんであんなに禿げた生瀬さんが岡田くんに愛されてるんですか意味がわかりません」という苦情を頂いたらしい。役者さんって大変(笑)
中越の典子ちゃんはこどもの一生以来二回目。
あんね、めっちゃエロかった。素晴らしい。
中世のドレスっておっぱい強調するじゃん?コルセットでめっちゃ腰縛って、余ったぜい肉全部おっばいに寄せるの。だからすんごいいいおっぱいだったの。もうずっとおっぱいよ(無意味な文章)
真面目に言うと、いい意味で一番人物形成が分かりやすくて、感情移入しやすかった。マチルドはほとんど被害者なんだよね。旦那には暴力振るわれるわ、息子生んだのに旦那は家かえって来ないわ、家にいきなり田舎から出てきた礼儀知らずの男の子が来たと思ったらまさかの旦那がその男の子にホイホイついてくわと、結構散々な目にあってると思うのですが、でもそこで全部「それでもうちの旦那は才能ある素晴らしい人だから私が支えなきゃ」という献身を装った自己陶酔的ななにかを醸し出してるという、別の意味で見ててイライラする人物。最終的にランボーと駆け落ちした(けど定期的に奥さんとこにはどこに逃亡してどんな生活送ってるか手紙で報告してた)旦那に振り向いてもらえるために、約束してたホテルでまさかの全裸でお出迎え*4という奔放っぷり。
それなんてエロい本なの。
それで本当に旦那もランボーのとこ戻るの躊躇し始めるからある意味お似合いな夫婦ということで。
「~ですわ!」口調で喋る典子ちゃんマジマリーアントワネット。
脇役の皆さんも本当に素晴らしくて、特に詩人が集まって会食するシーンはそれぞれキャラ濃すぎてランボーが机にのっかってションベンかける時も「いやいやふつーじゃん」と思ったくらい(大げさ)
パリに初めて来て、はしゃいでベッドとかソファの上ぴょんぴょんしちゃうランボーちゃんぎゃんかわでした。
途中独白シーンとかで集中途切れちゃうこともあったけど、3時間半超の大作、見ごたえあって楽しかったです。
最後撃たれたけどそれでも「事故だ」と言い張ってヴェルレーヌがムショに入るのを防いだランボーはきっとここから愛なんだー。
これでおわれば「アーイイハナシダッター」で終わるのに、決別したあとも一人森の中で未練タラタラ「えーん一人はやだよぉランボーの肉体が恋しいよぉーえーん(つд⊂)」(多少脚色あり)と言うヴェルレーヌで台無しでした(笑)ほんと最後まで反省しないやつだなこの野郎。
無事千秋楽を迎えて、皆さん本当にお疲れ様でした。
岡田くんも初舞台で初主演、しかも蜷川舞台と、色々重荷だったかもしれないですが無事終われてよかったです。お疲れ様でした!
生瀬さんはネズミ三銃士のチケット見事に全然取れなくてすげえ悔しかったんで、ここで会えて良かったです。でもやっぱりネズミ三銃士行きたかったぜ...チケット瞬殺だったよまぁ知ってたけど...
てかこう考えると去年古田新太さん見に行けないんだなぁ。今年は行きたいなぁなにか。
岡田くんは今後しばらくは映像作品が続くみたいですけど、是非今後も舞台作品に挑戦してほしいなと思います!見に行く!!!
早くモリタンゴの感想も書かないと。日に日に記憶が薄れていくヤヴァイ。