ブッ壊れたシャワーヘッド

好きなものを、不規則に撒き散らすだけ

18/11/3 ヨーロッパ企画20周年ツアー「サマータイムマシン・ブルース、サマータイムマシン・ワンスモア」@道新ホール

V6ファンとしても縁のあるヨーロッパ企画。今回20周年ということで私が劇団を知るきっかけにもなったサマータイムマシンブルースとその続編を連チャン上演し、しかも札幌に来てくれるということで、すぅぐさまチケットを取ってしまいました。企画のチケットがこんなにすんなり取れるのも北海道ならでは!…といいつつ、やっぱりもっとすぐ売り切れて欲しかったなぁという気持ちもあったり。なんだかんだ満員御礼だったみたいですね!よかった!19年も札幌で新作の公演やってくれると上田さんが約束してくれたので、もっと道民も見に行って欲しい。

 

いや~しかし、ノスタルジーがすごかった!!私が見たDVD版からもすでに13年の年月が過ぎ去った今、ほぼ同じメンツで上演ということでどうなることかと思ったけど、舞台のライトがついた瞬間やっぱりそこには暑苦しいSF研の部室があったし、今自分もこうして大学のサークル活動を経て、社会人という目線でこの作品を見ると、また懐かしさと新鮮さがあって、本当に見に行けてよかったなぁと思います。上演直後やっぱりTSUTAYAに映画のDVD借りに行ったよね。私だけじゃないよね。*1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 タイムトラベルの詳細を省いた超絶雑なあらすじ

サマータイムマシンブルース

SF研とは名ばかりのうだうだした大学生たち。部屋がSF研の奥の暗室ということでカメラ研究会(部員3名)とも仲良し。2つの部員たちが真夏の部室でうだうだしていたとき、ひょんなことから部室のクーラーのリモコンが壊れてしまった。暑い夏をどう乗り切ろうか考えていたところ、部室の一角に突如タイムマシンが現れた。まさにドラ○もんみたいなやつ。最初は半信半疑だった学生たちも、1人がお試しで乗ってみたところ本当にタイムトラベルできたとのことなので、1日前に遡って壊れてないリモコンを手に入れようと画策。そんな中、過去を変えてしまうと「今いる自分たちの存在」が消えてしまうかもしれないという仮説にたどり着いた学生たちは、タイムマシンを持ってきた張本人である未来人、もとい「2030年のSF研部員」田村も巻き込みながら、慌てて現状を復帰を試む。しかし、タイムトラベル先で変な好奇心が湧いちゃっていろんな人に見られてしまったり、肝心のリモコンが見つからなかったり、ドジを踏んだり、すれ違ったりと、たった1日の出来事を現状復帰させるのにみんなてんやわんや。しかし、最終的には、壊れてないリモコンを無事手に入れ、そして未来人を未来へ返すことができ、SF研と写真部に平穏が戻ってきたのだった。そして、田村が写真部のマドンナ柴田の息子であることも判明。必然に、柴田に片思いしてた甲本は結婚相手でなかったことが判明し、「苗字って変えられるのかな」と呟いて暗転。

 

サマータイムマシンワンスモア:

あの夏から15年後、部員たちはみんな大学を卒業しそれぞれの道を歩んだが、同窓会を開くこととなり、飲み会後懐かしくなって部室に戻ってきた。そこで彼らはSF研現役部員の男の子と、写真部現役部員の女の子と出会う。そして、まさか部室にまたあの見慣れたタイムマシンが登場した。しかも3台。テンションがあがったOBOGたちはこれがタイムマシンであることを説明すると、現役生も興奮。「2週間前に遡って夏休みのレポートをちゃんと教授に提出しにいく」組、「2004年の春に発生したカメラフィルム感光事件のフィルムをダメになる前に取り戻しにいく」組、「2003年秋の学園祭で屋台に張り付きだったせいで見られなかったレディ・ガガばりに派手な外タレのパフォーマンスを一目見に行く」組に分かれてタイムトラベルすることに。しかし、これまたいろんな歯車が狂い始めてみんな現代に帰ってこない。また、ひょんなことからOBOG勢の同級生蛭谷がキャンパスを潰してショッピングモールにする計画が進んでいることを知る。未来人田村はSF研を守るため、それを阻止しようとこれまた過去を変えようと奮闘する。なんやかんやあったが、最終的には蛭谷の買収計画を変えることができ、また、みんなも戻ってくることができた。一つ驚きといえば、この間15年前にタイムスリップしてしまった現役SF研部員の男の子が、そこで過去の学生時代の柴田に出会い結婚し、そのまま自力で現代にきてしまったことだ。「ようやく籍を入れられるね」。そう、この子こそ未来人田村のお父さんとなる人だったのだ。ようやく一息ついたところで、写真部の女の子がエアコンをつけようとすると、リモコンにコーラをこぼして壊してしまうのだった…

 

 

 

 

とにかくまず現役SF研部員役の城築さんのキャスティングが神。どこでこんな本多にそっくりの役者を揃えたのよ笑

ワンスモア、冒頭ゲームするシーンの時から客席がざわざわし始めたんだけど、やっぱりお前が田村のDNAを作ったのかー!というオチが最高でした。あの髪型、日村か本多か城築さんだな。

ワンスモアにもなると、タイムトラベルがもっと絡み合って、もっと複雑で、そしてタイムスケールももっと広くなっております。多分映画みたいに、それぞれのタイムスリップ先の情景がはっきり描かれてしまったら本当に頭がこんがらがるかもしれない。それがほぼワンストップシチュエーションの演劇だったからこそ、例えば学祭のステージの風景とかは想像で補えるから、こんがらがることもなくすんなり見ることができたのだと思う。

しかしこいつら、15年たっても全然学習してない(笑)。学生時代あんなにタイムマシンでさんざんな目にあったのに、15年後タイムスリップしたら、まぁたウキウキ気分でふらふら出かけちゃうから、前回は自力で現代に戻るといっても1日のタイムラグだったけど、今回3年間自分で日雇いバイトしながら生活して自力で現代に戻った人もいるもんね。ぼろっぼろの石田さんが出てきたときほんと腹から笑ってしまった。

前作に引き続き、曽我くん(永野さん)は今回も「ぐにゃ」でひどい目に。あのタイムマシンで味わう「ぐにゃ」という感覚が嫌いなのにもかかわらず何回も乗る羽目になるし、前回は99年前、大学建設前の沼地に着地して自らかっぱ伝説の元となってしまうし、お次今回は変わって99年後にタイムスリップし、野良ドローンに襲われ、天狗のお面をかぶったまま飛び回ったので天狗伝説を新たに作ってしまうという。ってか野良ドローンってなんだよ(笑)

本来こういうタイムマシン系の話って、どうやって機械を駆使してちゃんと現代に戻ってくるかがミソだと思うんだけど、サマータイムマシンシリーズ最大の面白みはこの「過去に行った人については、最悪自力で現代に戻ってくる」ってところ。もちろん、「その間次元的空白というか、この人が存在しなかった現代の時間はどうしてるの、会社にどう説明するの」とか、「現代人が過去に行って、また現代に来るって、年齢的に矛盾はないの」とか色々疑問もあるんだけど、それもどうでもよくなるくらいとにかくお話が面白かったです。久々に時計を一切気にせず舞台を見てしまった。

最後まさにまた次のタイムトラベルを匂わせてたわけなのだけど、続編やってくれないかなぁ。登場人物一人一人が愛おしくて憎めなくて、とっても大好きな作品。関係ないけど部室の作り結構生々しいよね?私の大学のサークル部室もあんな感じだったよ??なんでみんな部室にゴミみたいなオブジェとか持ち込むんだろうね?????

 

ちなみに、20周年の各関係者からのお祝いメッセージには井ノ原くんからももちろん来ておりました。「俺高卒だけど、一緒にいると大学時代に戻ったような気持ちになる」とのこと。わかる

あさイチも卒業したことだし、これからはもうちょっと外部舞台とかに出るフレキシブルな時間があるんじゃないかなぁと思ってるので、また企画さんにもお世話になれたら。相性いいと思うのよ、企画の作品と井ノ原くんの雰囲気。

 

 

 

 

 

 

*1:上野樹里ちゃんと瑛太くんのやつね