ブッ壊れたシャワーヘッド

好きなものを、不規則に撒き散らすだけ

19/03/21 六本木歌舞伎第三弾「羅生門」ソワレ@わくわくホリデーホール

健くん、よぉ頑張った!!

4/20のネクジェネでは、トニセンのお父さんたちが口々に「良かったよ」「誇らしいよ」と言ってたけど、すんごい気持ちわかる。だってアイドルのヲタクやってて、自分が本格歌舞伎見に行くことになるなんて微塵も思ってなかったもん。

最初第一報が出たとき、多分私だけじゃなくいろんな人が「あぁ、健くんの人気と客寄せぷりが買われたか」と思ったはず。第一弾第二弾の存在はもともと知ってたし、いかんせん歴代のゲストが獅童さん、しのぶさんといずれも歌舞伎と縁が深い方々だったから、ここで健くん投入は正直「大丈夫か」と、確実に嬉しさよりもおこがましくも心配の方が優ってた、そんな第一印象だったような。

それが、いざ蓋を開けてみたら。もちろん歌舞伎初心者ゆえの初々しさもあるんだけど、下人及び茨城童子のように運命に翻弄される役柄という観点からすると、より「ピュア」な感じが強調されていて、見ていて特段違和感もなく。ただでさえ若々しく見える健くんが一層「青年」に見えて良かったです。

 

個人的な話をすると、小中高と日本文学的な教育を受けていないので、作品のバックグラウンドはおろか、歌舞伎的文脈にも全く疎い人間なのですが、そこは観劇初心者を十分配慮した演出。劇中の登場人物が「それってなんて意味?」とわかりやすく振ってくれることで、聞き取れなかった意味もよく理解できたし、ストーリーにおいてけぼりにされることもなく、ましてや意識が逸れることもなく見られました。そもそも私羅生門を未修のまま見に行ったんだけど、前半の下人が死ぬところまでしか羅生門じゃないのね?!びっくりした。

 歌舞伎の知識なんざ年末年始にテレビで見る俳優祭りの印象くらいしかないもんだからあれだけど、それこそ俳優祭りでの演目や近年上演されているアニメ改編の作品から見てもその自由度の高さや幅広い客層への意識は強く感じていたから、今回途中で生身の海老蔵が出てきてもあまり驚かなかったし、役者さんが普通にグッズの宣伝をし始めてもびっくりしなかったんだけど。それよりも、意外と滝沢歌舞伎の演出は歌舞伎の様式美に沿ってたんだなぁとそっちに驚いた記憶が。最後健くんがフライングやるなんて聞いてないから!怪我なく終わってよかったね…

 

 

 

 

 

 

 

地方公演とだけあって、海老蔵さんと健くんのトークや、茨木童子が訪れる廓の女郎たちのトークもローカルネタたっぷり。

死んだ下人に転生後の名前を提案するところでは、

海老蔵「お前寿司食べたいって言ってたじゃん」

健くん「いくら!うに!」

海老蔵「あとはじゃがバターとか。あ、じゃあお前次転生したら『じゃがバタ』って名前にしなよ」

 

とか

 

遊郭遊びでクラーク博士のものまねする女郎とか、

わくわくホリデーホールの名前をいじり倒す海老蔵さんとか。とにかくサービス精神満載。

それ以外にも、04年のコンサートの時の健くんのうちわを麗禾ちゃんと持ってくる海老蔵さん。北の国からや十八番の千と千尋の神隠しのカエル、挙句は木村たっきゅんのものまねまでする健くん。ありとあらゆる使えそうなネタをこれでもかと詰め込んだ作中会話部分。ちなみに海老蔵さんは(多分)健くん演じる下人もしくは茨木童子が死んで転生する時に現れる時空の番人的な立ち位置。それが、中で演じてる老婆等の役とあまりにもギャップがあるから(笑)

健くんも、多分一部会話は予め決まっているだろうと思われるとはいえ、余裕たっぷりな海老蔵さんと比較して余裕がないゆえのタジタジっぷりが際立っててとてもかわいい。健くんって焦ってるとき「え?(笑)」って聞き返しがちだと思うんだけど、連発しつつ海老蔵さんと言い争いしてて本当に可愛かったなぁ。なにより、毎度その下りになると舞台両脇の高台にいる長浜竹本太鼓奏者の皆様。基本演奏がないときは無表情で舞台を見守っているのですが、さすがに健くんたちがキャンキャン言い合い始めると時折にっこりしながら見守ってるその様子がもはや運動会の父兄の皆様でめちゃくちゃ微笑ましかった。健くんかわいいよね。わかるよ。

最後のカーテンコールは2回目からカンカンと麗禾ちゃん、4回目には三池監督も出てきて大盛り上がり。ジャニヲタスタオベしがちだけど、今回は私も「よぉ頑張ったね」って意味でスタオベしてしまった。カテコも舞台と違って素早く、かつ何度も出てきてくれたんですけど、これって歌舞伎あるあるなんですかね?

普段触れる機会がないジャンルに触れさせてくれた健くんには感謝しかないし、まさに文字通り「異文化交流体験」となった今回の六本木歌舞伎。萬斎の三文オペラボレロ見たときも思ったけど、やっぱり伝統芸能って懐が深いな~!歌舞伎を普段から嗜まれる皆さまから見たらきっと違和感を覚えることもたくさんあったと思うけど、また違うジャンルとして楽しく受け止めててほしいな。

なにより、健くん、慣れないことだらけだったと思うけど本当にお疲れ様でした!こんな世界に私たちを連れてってくれてありがとう!